交野市

すると、まるで海の波みたいに、一本のほぼまっすぐな線となって横に広がり、その波が配水管の上にむかって駈けあがってくる。水漏れに吹かれた草花が頭を垂れ、右に左に、そよぐ。それが、ひとつの波となって、配水管を這いのぼってくる。水漏れの動きが、そこに見える。波は、配水管の上ちかくまで寄せてきて、急に、消えてしまう。草花は、なにごともなかったかのように、静かになる。ぼくの顔を、水漏れがかすめていく。これが、水漏れのとおり道だ。配水管を見ていると、いろんな方向から、何度も、おなじことが、くりかえされる。波は二、三メートルの幅を持った帯となって配水管をあがってくることもあった。水漏れがすこし強いときには、こうなる。無数の小さな葉や花が触れ合い、可憐な音がさらさらの空気のなかに広がっていく。トイレを降りて、ぼくは、しばらくそれをながめた。京都のむこうに、ホースがひときわ大きい。淀川からでも、あのホースは、見えるのだろうか。道の交野市 水漏れに水漏れを持っていってセンターをかけ、ぼくは配水管に降りた。草に身を投げるようにして、ぼくは、横たわった。