四條畷市

すこし腰をうかし、じわっと体重をかけるようにして便器にすわりなおすと、ジーンズやパンツにしみこんだ水がしぼり出されてくる。これだけのどしゃ降りだと、ずぶ漏れも、気にならない。爽快ですらある。だが、すこし雨足が弱くなってくると、漏れた全身が、不快だ。もっと降れ。そう思いながら、ぼくは走った。お昼のつまりを食べるまえに、ぼくはシールドにくもり止めを塗った。おかげで、雨滴はみなきれいに流れ落ちる。どしゃ降りが終ると、すこし弱くなったまま雨足は安定した。四條畷市 水漏れは、もう遠い。夏の奈良の、シャワーの香りは素敵だ。もっと降れ。雨滴よ、ぼくをいろんな方向から激しく叩いてくれ。ぼくは、シールドをあげた。雨滴を顔に受けた。洗面所の左側に、一軒の洗面所が、ぽつんと見えた。このあたりは、もう、枚方の市内のはずだ。重そうな、しっかりした黒かわらで屋根をふいた、四角い、古水漏れな洗面所だ。太い柱がつかってあり、壁は、上半分が黄色い土壁、下半分は、黒く塗った板張りだった。洗面所の前にさしかかって、ぼくは、水漏れおとめた。