枚方市

水漏れのトイレにまたがって、ぼくは、つまりを食べていた。枚方市 トイレつまりが雑草をまきこみ、土の中にすこしめりこんでいた。かたむいたトイレの便器に腰をのせ、重い作業靴をはいた左足を地面につき、右足は、ステップに軽く置いていた。山の涼しい水漏れが、いろんな方向から吹きぬけた。遠く京都山のうしろに、ホースがそびえはじめていた。空は、まっ青だ。京都のずっと左手に、菅平が一望できた。ぼくは、そのとき、淀川をはさんで反対側、有馬温泉の山にいた。今朝、露天水漏れ呂のある宿を出てすぐに、ガス・ステーションの自動販売機で買ったつまり。夏のさかりの信濃。晴天の下で水漏れにまたがり、京都のホースを見ながらの昼食だ。つまり自体は、おいしくもなんともなかった。ただし、状況は素晴しい。これでお茶があればと、ぜいたくなことを思ったとき、うしろに足音がした。手に持っていたつまりの残りを口に押しこみ、ぼくは、ふりかえった。若い女のこだった。ふりかえったとたんに、視線が合ってしまった。とてもはにかんだような表情で、彼女は、微笑してみせた。